オーディオスペクトラムとは、音を低い音から高い音までの周波数成分に分け、それぞれの強さを表したものです。音楽動画で並んだバーや輪が音に合わせて動く表現は、この情報を見える形にしたものです。
音には、低音・中音・高音など、さまざまな高さの成分が同時に含まれています。オーディオスペクトラムは、その音を周波数ごとに分け、どの高さの音がどれくらい強いかを示します。「audio spectrum」を日本語で説明するなら、音の周波数成分の分布です。
たとえば、低音が強い場面では低い周波数に対応する部分が大きく動きます。歌声や楽器の音が加わると、別の周波数帯にも動きが広がります。動画では数値やグラフをそのまま見せるだけでなく、バー、線、円、粒などに置き換えて表現できます。

横に並ぶスペクトラムでは、一般に低い周波数から高い周波数へと成分を並べます。音楽を再生すると、それぞれの場所が受け持つ音の強さに応じて伸び縮みします。全体の音量だけで一本の棒を動かす表示とは違い、低音と高音の変化を分けて見せられるのが特徴です。
ただし、動画のデザインは計測器ではありません。円形に並べたり、左右対称にしたり、粒や光へ置き換えたりするため、厳密な数値を読む用途より、音の動きを視覚で楽しむ用途に向きます。
パソコンが扱う音声は、時間とともに変わる細かな数値の列です。そのままでは「どの高さの音が強いか」が分かりにくいため、周波数ごとの情報へ変換します。
ブラウザ上の音声可視化や一般的なデジタル処理では、FFTが代表的な方法です。FFTは「高速フーリエ変換」のことで、時間の流れに沿った音のデータを、周波数ごとの成分へ効率よく変換します。専門用語に見えますが、動画を作る人が計算する必要はありません。ツールが解析し、その結果を画面の動きへ結び付けます。
W3CのWeb Audio API仕様でも、時間領域のデータと周波数領域のデータが別々に定義されています。周波数解析にはFFTサイズが使われ、変換後の値をならして見やすくする処理も示されています。ただし、スペクトラムを求める方法がすべてFFTというわけではありません。FFTは、デジタル音声の周波数分析で使われる代表的な方法です。
解析した値を毎回そのまま描くと、表示が細かく震えて見えることがあります。そのため、時間方向に値をならし、動きを見やすくする処理が使われます。Audio Spectrum + では、見た目の追従を「動きの詳細調整」の「なめらかさ」で変えられます。値の意味と調整の順番はデザインの選び方と「動きの基本・詳細調整」の意味で説明しています。
| 表示 | 何を見るものか | 一般的な軸 |
|---|---|---|
| 音声波形 | 時間とともに音の振れ幅がどう変わったか | 横が時間、縦が振幅 |
| オーディオスペクトラム | どの周波数の成分がどれくらい強いか | 横が周波数、縦が強さ |
波形は、音が大きい場所や無音の場所を時間の流れで確認するのに向きます。スペクトラムは、低音・高音などの成分を分けて見るのに向きます。波形とスペクトラムは技術的には異なり、波形は時間に沿った振幅、スペクトラムは周波数ごとの強さを表します。
自分の音楽や声に動く線を付けたい方は、用語の厳密さより作り方を知りたいはずです。具体的な方法は音楽に波形をつける方法で説明しています。もっと広い「音楽ビジュアライザー」との違いは音楽ビジュアライザーとは?スペクトラムとの違いをご覧ください。
音声ファイルだけでは画面がありません。スペクトラムを付けると、音の変化が映像になり、BGM、オリジナル曲、AIで作った曲などを動画としてまとめられます。YouTube向けの書き出しはYouTube用動画の書き出しガイドに分けています。
声だけのコンテンツでも、話している間に線やバーが動けば、音声が続いていることを視覚で伝えられます。Audio Spectrum + では「おすすめ設定(ワンタップ)」の「ボイス」や、バーのカテゴリにあるボイスウェーブを選べます。
静止画だけの画面に少し動きを加えたいときにも使えます。背景に画像を置き、動きが穏やかなデザインを重ねる構成も可能です。長いBGMを扱う場合は長時間動画の注意点を先に確認してください。
グリーンバックを背景にしてスペクトラムを書き出し、動画編集ソフトで別の映像に重ねる使い方もあります。緑を抜く具体的な手順はグリーンバック合成ガイドにまとめています。
スペクトラムは音そのものを変更する機能ではなく、解析した結果を映像に反映するものです。
周波数の強さを表す考え方は同じでも、見せ方は一つではありません。Audio Spectrum + には、バー、ウェーブ、サークル、パーティクル、レトロ、宇宙、アート、メーター、プレミアム、クレヨンのカテゴリがあります。定番の棒だけでなく、円形、光の粒、機材のメーターのような表現も選べます。
形55種類、色20種類、バリエーション3種類とクレヨン50種類を合わせ、デザインは3,350種類です。見た目の選び方はデザインの選び方と調整のコツに譲ります。
厳密には違います。波形は時間に沿った振幅、スペクトラムは周波数ごとの強さを表します。
必ずではありません。スペクトラム分析には別の方式もあります。FFTは、デジタル音声の周波数分析で使われる代表的な方法です。
作れます。Audio Spectrum + は登録・インストール不要で、ブラウザから完全無料・商用利用可で使えます。操作を始める方はオーディオスペクトラムの作り方へ進んでください。